3か月で電話デビュー!彼女に想いを届けた中国語勉強法

3か月で電話デビュー!彼女に想いを届けた中国語勉強法

日本に帰国した僕は、すぐに中国語の勉強を再開した。あの時の約束、「必ず中国語を猛特訓してまた昆明に戻る」を果たすためである。

勉強の中心はオンライン英会話ならぬオンライン中国語学習に活用できるネイティブキャンプだった。スマホひとつでネイティブ講師と会話ができるのは想像以上に便利だった。仕事の合間や夜遅くでも、ワンクリックでレッスンに入れる。語学学校に通う時間も費用もなく、まさに社会人の僕にとって理想的な環境だった。

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でも、その時の私の彼女と中国語への熱はそれだけでは満たされなかった。書店で中国語のテキストを購入して、通勤電車の中でページを開き、出てきた文章を丸暗記する勢いで繰り返した。駅から職場までの道を歩くわずかな時間も惜しんで、口の中で覚えたフレーズをもごもごとつぶやいていた。周りからすれば奇妙な姿に見えたかもしれないが、そんなことは気にならなかった。彼女の「待ってる」という言葉が、僕を突き動かしていたからだ。

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少しずつ増えていく語彙

勉強を始めてから最初の1か月は、発音やリズムに慣れることが中心だった。しかし2か月、3か月と続けるうちに、会話の中で自分が使える語彙が少しずつ増えていった。

ネイティブキャンプの講師は、僕が使った拙い中国語を辛抱強く聞き取ってくれ、言い回しや発音の誤りをその場で直してくれた。テキストだけでは気づけない「生きた中国語」を教えてくれるので、実践の場に近かった。時には講師と冗談を交わしながら笑い合うこともあり、勉強が単なる義務ではなく楽しみに変わっていった。


初めての電話

勉強を始めて3か月が経った頃、ある講師にこう言われた。
「もう十分、電話で通じるレベルよ。」

その言葉に背中を押され、僕は勇気を出して彼女に電話することを決めた。番号は、あの時もらった店のカードに書かれている。手の中で震えるスマホを握りしめ、意を決して発信ボタンを押した。

受話器の向こうからは、チベット料理店のざわめきが聞こえてきた。店員に用件を伝えると、しばらくして彼女の声が電話口に現れた。

「もしもし…」

心臓が高鳴り、声が震えた。
「僕のこと、覚えてる?」

間を置いて、彼女の声が返ってきた。
「覚えてるよ。」

その一言に、胸の奥が熱くなった。安堵と喜びが一気にあふれ、電話を切った後もしばらく放心したままだった。あの時の嬉しさは、今でも鮮明に覚えている。


週に一度の習慣

それから僕たちは、週に一度ほどのペースで電話をするようになった。僕の昼休みと、彼女の昼休みの時間がちょうど重なることが多かったのだ。電話口で彼女の声を聞くたびに、勉強してきた中国語を少しでも使おうと必死になった。

まだまだ言葉足らずで、彼女の話すスピードにはついていけなかったが、それでもコミュニケーションが取れること自体が奇跡のように思えた。電話のたびに「もっと勉強しよう」と強く思った。


再訪の決意

こうして電話を重ねるうちに、気持ちは自然と固まっていった。年末年始の休暇を利用して、もう一度昆明に行こう、と。

再び彼女に会うための計画を立てながら、胸は高鳴るばかりだった。前回はただの旅行者だったが、今度は少しでも自分の言葉で話せる自信がある。あの時の「待ってる」という約束を、もう一度確かめに行くのだ。

そして、正月休み。僕は再び昆明への切符を手に入れた。今度は、ただの旅ではない。そこには確かに彼女とのつながりがあり、その先に広がる未来があると信じていた。

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